2006年12月アーカイブ

 12月に欠かせないもの・・・それはクリスマスに年賀状書き、年越し蕎麦に紅白歌合戦。それと、何故かは知らねどベートーヴェンの「交響曲第九番・合唱」
 私は、クリスマスソングを聴きながら、友人や新旧の彼女達・・・当然のことであるが、これって、文字とおり彼女のことであって、いわゆる彼女ではない・・・に年賀状を書く。そして、年越し蕎麦を食べながら紅白歌合戦・・・当然のことであるが、ミニのスカートをはいたピチピチプリンの歌手が出てくると、目をランランと光らせて身を乗り出す訳ではない・・・を見る。これって、ミイハアの正しい12月の過ごし方。
 しかし、私は音楽的にもミイハアなので、「交響曲第九番・合唱」を聴かねば沽券にかかわると思っている。だから、若い頃から「第九」の演奏会に毎年通っている。
 しかしながら、である。「第九」のチケットは、ステージいっぱいに人が溢れているせいか、普通の演奏会に比べて格段に高い。東京なら、普通のコンサートのB席の2回分に相当する。
 地方では「第九」が演奏される場合、合唱団がその都度結成されることが多い。だから、合唱団に入ればチケットを買う必要はないということになる。
 そこで、タテマエ的には「第九」を聴いて感動したので合唱団に入会すると云うことにするけれど、何故か、私は生まれながらのケチ。だから、ベートーヴェン様には申し訳ないが、フトコロ的に合唱団に入団することにした。聴いて歌ってタダ。なんと素晴らしい!!!
 かくして、私が入団したのは、第1次現役時代を終え東京から戻り、時間の余裕が出てきた2003年秋。九州交響楽団が「第九」を演奏するときに結成される合唱団「北九州市民フロイデコール」
 入会の手続きに行ったところ、なんと入会金2500円也。それと、ドイツ語で楽譜なしで歌うのが条件だと言う。
 私、それを聞いて驚天動地・茫然自失・・・。
 しかしながら九州交響楽団の演奏会のチケット代は3500円、だから入会した方が1000円も安い。何度も云うようだが、私は生まれながらのケチなので、1円でも安ければ幸せ気分いっぱい。それで、これは「マ、いいか」とすることにして、問題はドイツ語と楽譜なしの方である。
 大学で、私が取った第2外国語はドイツ語である。しかし、ドイツ語の授業はなんと月曜日の1時限目。九州から上京してピッカピッカの大学1年生に、「日曜日の次の日の8時半から始まる授業に出れ」って、そんな無茶なこと云っても出来る訳ないでしょ。
 かくして、他人任せが得意のわたしは、友人の庇護の下、なんとか単位を取ることが出来たが、これさえ知っておればなんとかなると思って覚えたドイツ語は唯一つ、「Ich Libe Sie」。これを英語で訳せば「I Love You」
 それと、もうひとつの問題は、楽譜なしの方である。とみに老朽化が進んで「髪の毛うっすらハゲ模様」にかてて加えて「頭もうっすらボケ模様」になりつつある私に、暗譜が出来る訳がない。
 かくして、すっかりガッカリ意気消沈。帰ろうとすると
「大丈夫。皆、初めはシロウト。6ヶ月も練習期間あるし、ベテランについて歌えばなんとかなるわよ。だから入会してね」と、受付美人がニッコリして云う。
 フーン、そうかと、他人任せが得意な上に、もともとニッコリ美人に弱い私は、すっかりガッカリ意気消沈はどこかに消えうせて、一も二もなく
「ウンウン」と云ってしまった。
 かくして、自分の退行行為は棚上げして、ありったけの勇気をかき集め、軽佻浮薄というか勇猛果敢というか「第九」に挑戦。
 すると、天は我を見捨てず。なんと「頭もうっすらボケ模様」になりつつあるにもかかわらず、ドイツ語の教授が上手に話すコツを教えてくれたことを思い出したのである。その教授、いわく
「鼻くそを相手に飛ばす位、勢いをつけて話せ。すると、なんとなくサマになる」
 かくして、顰蹙を撒き散らしながらなみだ涙の練習を重ね、今年で、私、4回目の「第九」の演奏会。一見ベテラン風、よくよく見ればシロウト風だけど、「第九」を歌うことで、1年のピリオドをうつことが出来るようになった次第である。だから、
 
 今年、ポケットに夢をいっぱい詰め込んでチャレンジしてきたあなた、
 今年、怒りと戸惑いの海に溺れ、眠れぬ夜を重ねたあなた、

 いろんなことがあったことだと思いますが、一度「第九」を聴いてみませんか。
 そうすれば、2006年にきれいさっぱりとエンドマークをうち、気分も新たに新しい年を迎えることが出来るかもしれません。


 今年1年、このコラム「夢旅人」を読んで頂き、有難うございました。来年も毎月1日と15日にお会いしましょう。
 そして、来年こそはと言うか、来年もと言うか、いずれにしろあなたの夢を、キャンバスに描くことが出来ますように、そして、壊れたハートを拾い集めるようなことは、決して起こらないように、はるか九州の空の下で祈っています。


         「第九の夕べ」
     九州交響楽団北九州巡回演奏会
 
       2006年12月22日(金)
      開演/19時  開場/18時
     ウエルシテイ小倉グランドホール
        (九州厚生年金会館)

       指  揮   秋山 和慶

       ソプラノ   木下 美穂子
       アルト    渡辺  敦子
       テノール   成田  勝美
       バリトン   成田  博之

    合    唱   北九州市民フオイデコール
    オーケストラ  九州交響楽団

 もう12月!!! 
 まだ人生を夢見ていた頃は、1年たつのがナガーーーーク感じられていたけれど、たそがれ時の人生を迎えたら、1年がアッというまにたってしまう。
 
 恋心が芽生えた10代の頃の年の取りかた
 若気の至りを発揮していた20代の頃の年の取りかた
 人生に意気を感じて燃えていた30代の頃の年の取りかた
 人生が見えてきた40代の頃の年の取りかた
 髪の毛うっすらハゲ模様の50代の頃の年の取りかた
 記憶もうっすらボケ模様の60代の頃の年の取りかた

 このように、その年代によって、私の年の取りかたも変わってきたけれど、詩人大岡信が2004年フランス政府からレジオンドヌール勲章のオフィシェ章を授与された時、詩人ポール・エリュアールの「とだえざる詩」の中の2行を引いて受賞の挨拶をしている。紹介すると

  年をとる それはおのれの青春を
  歳月の中で 組織することだ

 ウーン、年をとるということは、そういうことなのである。私 68歳。しみじみ納得。

 吉田拓郎と「かぐや姫」が9月23日掛川市の「つま恋」で35000人の観客を迎えて8時間にわたって開いた野外コンサート。このライブの模様が「今日までそして明日からー吉田拓郎・35000人の同窓会ー」と題して、10月23日にNHK総合TVのプレミアム10で放映された。
 1975年、同じ場所で5万人を集めて開かれた伝説のコンサートの再現である。集まった人たちは、ほとんどおしさん・おばさん。31年前の自分を思い出して、おじさんおばさん的風貌なれど、顔は青春!!! 
 みんな素敵にホレボレとするようないい顔。
 拓郎の歌に合わせて、涙をにじませながら歌っているのを見ると、私、ココロ的には10歳ばかり知恵遅れ気味なので、みんなに波長が合ってしまい、私まで涙してTVを見てしまった。
 年をとることは、青春を歳月の中で組織すること、そう、青春は帰ってこないけれど、青春に戻ることはできるのである。ウン、年をとるって、素敵なことなんだ!!!
 そして、最後に、拓郎と観客が繰り返して歌った歌「今日までそして明日から」
 皆、こうして31年間生きてきたんだと、この歌を歌いながら思ったのであろう。幸せはチョッピリで、辛く切ないことが多かったけれど、こうして今日まで生きてきたんだ、だから明日も生きようと・・・。
 そう、死を急ぐ子供たちに言いたい。大人だって、こうして格好悪いけれど生きてきたんだから・・・。
 君も今日まで生きてきたんだから、明日も生きて欲しいと・・・。


     「今日までそして明日から」
          作詞/作曲 吉田拓郎

     わたしは今日まで生きてみました
     時にはだれかの力をかりて
     時にはだれかにしがみついて
     そして今 わたしは思っています
     明日からも
     こうして生きていくだろうと

     わたしは今日まで生きてみました
     時にはだれかをあざ笑って
     時にはだれかにおびやかされて
     わたしは今日まで生きてみました
     そして今 わたしは思っています
     明日からも
     こうして生きていくだろうと

     わたしは今日まで生きてみました
     時にはだれかにうらぎられて
     時にはだれかと手をとりあって
     わたしは今日まで生きてみました
     そして今 わたしは思っています
     明日からも
     こうして生きていくだろうと

     わたしは今日まで生きてみました
     わたしは今日まで生きてみました
     わたしは今日まで生きてみました
     わたしは今日まで生きてみました

     そして今 わたしは思っています
     明日からも
     こうして生きていくだろうと

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