2006年05月15日

「おしっこ」に願いを

 5月5日22時からNHKのBS放送「フォークの達人」にフォークの元祖ともいえる小室等が出演した。ゲストで懐かしの「六文銭」のメンバーである及川恒平と四角桂子も出演。3人で昔の雰囲気そのままに「面影橋から」など歌って、もう、気分は30年前にタイムスリップ。年はとっても心は昔のままで、すっかりオドロキ。
 最後に、詩人谷川俊太郎の息子でジャズピアニストである谷川賢作が出てきた。小室等は、若いころから、谷川俊太郎や、作曲家武満徹、役者の唐十郎たちと仲が良かったらしく、谷川俊太郎の詩に武満徹が曲をつけ小室等が歌ったり、唐十郎の芝居の音楽を小室等が作曲したりする間柄のようである。
 そういう関係もあって、谷川俊太郎の息子である賢作の演奏で、小室等が歌うこともあるらしいが、ジャズピアノとフォークって、異質の取り合わせと思はれるかもしれないけれど、これが、なんとピタリ。
 昨年の11月に、やはりNHKBS放送で「井上陽水 空想ハイウエイACTⅣ Duet」が放映されたが、この番組で、陽水がギターの押尾コータロー、ジャズピアノの山下洋輔、ウクレレのジェイク・シマブクロ、ペタルスティールの高田漣、サックスの菊池成孔といった一流のミュージシャンの演奏でそれぞれ2曲ずつ歌ったことがある。
 演奏家と歌手の1対1の対決と思ったところが、それが大違い。お互いに相手の領域を犯すことなく、しかし、自分の持分を譲ることもなく共鳴しあって、あの独特な陽水の世界に、新天地が切り開かれた気がしたものである。
 その時、一番ハマッタような気がしたのがジャズピアノの山下洋輔。私がジャズが好きなせいかもしれないが、ニューミュージックにジャズピアノが似合うと、その時、認識を新たにしたものである。
 そして、思ったとおり、この日の小室等&賢作の演奏もホレボレ。「だれかが風のなかで」とか「おまえが死んだあとで」など数曲を、賢作のジャズタッチのピアノで小室等が歌ったが、これが良かった!!!
 このとき歌った「おまえが死んだあとで」は、谷川俊太郎が、30年前のベトナム戦争のころに作った反戦詩に、小室等が勝手に曲をつけて歌ったものであるが、今のこのイヤな時代に触発されて、谷川俊太郎が新たな反戦歌を作ったそうである。
 その詩に、また、小室等が曲をつけて弾き語りで歌いだした曲が、この番組でも賢作の演奏で歌われた。曲名は「おしっこ」
 だけど、オシッコといえば、私が悪戦苦闘している憎くき相手である。
 なししろ、老朽化が進んでいる私にとって、おしっこが近くなった。特に、私の大好きなコオヒイなど飲むとすぐオシッコに行きたくなる。折角のおいしいコオヒイがたちまちオシッコ化して出て行くなんてことは、生まれながらのケチである私にとって、こんな耐えられないことはない。
 それに、夜、夢の中で美人とアアしてコウしてアアなって、口をとんがらかしたその瞬間、オシッコに行きたくなって、目が覚めてしまうことがある。こんなアホなことって、ある?
 おまけに、オシッコするのに時間のかかること、おびただしい。人生の残り時間のカウントダウンが始まっているというのに、タラタラとチョロチョロと流れ出るオシッコに時間を浪費するなんて、こんな理不尽なことはない。
 それに、である。生殖器官のなれの果てから出るオシッコの描く放物線が、なんと短くなったこと!!! 今までの立ち位置からはオシッコが便器にとどかないので、便器の前に立ったら、兵隊さんのように
「一歩前進、捧げ銃(つつ)」と号令しなければならぬ。
 かくの如く、私はオシッコに悩まされ続けているというのに、谷川俊太郎は、なんとオシッコを反戦歌にしてしまった。私の「オシッコ」と谷川俊太郎の「おしっこ」とのなんたる違い!!! 
 谷川俊太郎は天才である。
 
     おしっこ     詩  谷川俊太郎
               曲  小室等

    大統領がおしっこしている
    おしっこしながら考えている
    戦争なんかしたくないんだ
    石油がたっぷりありさえすれば

    テロリストもおしっこしている
    おしっこしながら考えている
    自爆なんかしたくないんだ
    恋人残して死にたくないもの
    
    兵隊さんもおしっこしている
    おしっこしながら考えている
    殺すのっていやなもんだぜ
    殺されるのはもっといやなもんだが

    男の子もおしっこしている
    おしっこしながら考えている
    マシンガンを撃ってみたいな
    きっと気持ちがすっきりするから

    武器商人がおしっこしている
    おしっこしながら考えている
    銃がなければ平和が守れぬ
    金がなければ自由も買えぬ

    道で野良犬おしっこしている
    おしっこしながら考えている
    敵もいなけりゃ味方もいない
    ただの命を生きているだけ

 ウーン、私も、私の「オシッコ」を「おしっこ」に昇格させることにしよう。
   
    荘八さんもおしっこしている
    おしっこしながら考えている
    生殖器官のなれの果て
    元に戻らなきゃつまんない

なんと、切実感あふれる詩!!! どう? 感動した?

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2006年05月01日

5月の別れ

 5月。そして待ちに待ったゴールデンウイーク。そして、今年、2日休んだらなんと9連休・・・なんて言える人はシアワセ。
 サービス業や休むことが出来ない会社に勤めている人にとっては、所詮ブルーなウイークになってしまうけれど、働きたくっても毎日が日曜日の人のことを思えば、それでもシアワセ。
 でも、暇もお金もないけれど、緑が目が覚めるように美しい季節だからと、5月の風に染められて心薫らせ、ときめき感じる人はすっごくシアワセ。
 そう、5月はみんなシアワセになれる季節。
 だから、別れというフシアワセなことがあっても、5月の別れは、秋と違ってメソメソしない。私の好きな井上陽水の『5月の別れ』の歌のように、爽やかに心ゆらめいて、想いをはぐくむことができる。
 
   風の言葉に諭されながら
   別れゆくふたりが5月を歩く
   木々の若葉は強がりだから
   風の行く流れに逆らうばかり

   鐘が鳴り花束が目の前で咲きほこり
   残された青空が夢をひとつだけ
   あなたに叶えてくれる

   いつか遊びに行きたいなんて
   微笑を浮かべて5月の別れ
   月と鏡はおにあいだから
   それぞれにあこがれ夜空をながめ
   
   星の降る暗がりでレタスの芽がめばえて
   眠りから醒めながら夢をひとつだけ
   あなたに叶えてくれる
   
   果てしなく星達が訳もなく流れ去り
   愛された思い出に夢をひとつだけ
   あなたに残してくれる

 このイメージあふれる素敵な詞と5月の風を感じさせる爽やかなメロデイ。
 この曲を聴くと、こんな素敵な別れをしたいと思うけれど、残念ながら先立つ人がいない。
 そこで、「別れを惜しむための恋人」募集!!! ウーン、これってちょっぴり変?
 じゃあ、「別れを惜しむフリだけする恋人」募集!!! どう? これもダメ?
 エエィ、では、ここはボカシて「とにもかくにも恋人」募集!!!
 エ? 何? 「イイ年をして、アホなことを云うな」って・・・。
 チェッ、それを云っちゃあ、おしまいよ。
 フンだ、恋に定年はないのですから。

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